thought

三重苦

10月末に投稿した英語論文が査読から返ってきた。早い。現在の評価としては"major revision"なので、査読者の提示した要求に従ってコツコツと改訂すれば掲載を考えてあげよう、という状態。これから8週間以内に(つまり正月までに)再投稿の原稿を仕上げな…

後悔と諦念

後悔とは、あるネガティブな出来事に関して、その出来事へとつながる時系列を遡り、その出来事を歴史から抹消しうる他行為可能性の存在を見出そうとする心的営みである(あの時にああしておけばよかったのに)。反対に、諦念とは、あるネガティブな出来事に…

論文と盆栽

前回のエントリーで言及した論文は締め切り前に無事に提出。個人的にはあと一ヶ月と一万字ほどの余裕が欲しかったが、限られた日数と字数のなかで仕事をこなしていく能力を身につけるという意味ではよい勉強になった。ひとつの論文をひとつの論文として書き…

奇跡の法則?

人は奇跡に憧れ、奇跡を乞い、奇跡を自らの手で飼い慣らそうと欲する。巷には、「奇跡の法則」なる言葉まで存在する。自然法則の果たす役割のひとつが事象の予測と操作にあるとすれば、奇跡の法則化によって人は永年の願望を実現することになろう。 だが、そ…

神は命ずる、信仰者のみままに

概念役割意味論によれば、ある概念のもつ意味は、その概念を含む諸表現が推論上において果たす役割によって規定される。しかるに、「神」の概念が果たす推論上の役割は、さもなくば無限後退に陥ってしまう思考の運動を停止させることである。神の意味が神の…

自然法則と道徳法則

自然法則の主要な役割は、ある事象がそのもとに包摂されることを示すことで、その事象を説明することである。他方、道徳法則の主要な役割は、ある行為がそのもとに包摂され「ない」ことを示すことで、その行為を非難することである。